君に選ばれたい人生だった/メンヘラ大学生

BOOK
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後悔するかもしれないけど、叶わないかもしれないけど、伝えたい。

書籍情報

タイトル:君に選ばれたい人生だった

著者:メンヘラ大学生

出版社:角川書店 KADOKAWA

発売年月日:2023年9月26日

あらすじ

Saucy Dogの楽曲から生まれた、共感必至の連作短編集!

多くの共感を呼ぶバンドの楽曲を素に、SNSで人気のメンヘラ大学生が、独自の解釈で物語を紡ぎました。

好きになった人に既に恋人がいる。運良く付き合えても、その人がずっと自分を見てくれるとは限らない。
第一志望の企業には大抵入れない。第一志望群、なんて都合のいい言葉で自分を慰める。
本当にやりたかった事に蓋をして、目の前のタスクに没頭する。
たしかにそれは事実だと思うでもきっと、人生は選ばれないことばかりじゃない。
いつか自分を選んでくれる人も、必ず現れる。 ――本文より

印象に残った物語

🎧シンデレラボーイ

p112.人は皆、何かになれると信じている。サッカー選手、医者、アイドル、声優、漫画家、Youtuber、自分は何者かになれるんだと自負して、声高く宣言する。そして、希望に満ち溢れていたはずの将来の夢も、歳を取る度に現実的な何かに置き換わっていく。

恋が叶う瞬間は、もしかしたら夢を叶える瞬間に似ているのかもしれない。もしそうだとしたら、どちらも手に入れようとするのは、贅沢なのだろうか。

二兎追うものは一兎も得ず的な。

気づいてるけど、気づいてないふりをする。その嘘をひとつ許すことで、こんなにも苦しくなるのか。

彼と付き合いたいというが、その口約束が欲しいのではなく、二人で幸せになりたいということなのだ。追いかけている時は忘れてしまうけれど。

🎧ノンフィクション

全体を通して本書は恋愛の話なのだけど、なんだか甘ったるくないのは多くの人が送る日常をすぐそばに感じるからだと思う。

ここのノンフィクションもそう。少し恋愛を遠くに置いてみる。人生の中に恋愛があって、人生の主人公は私だ。

ね、明日は楽しみ?

怖いけどさ、よしぶつかってみるかと思えた。

p218.人から拒絶されるのを怖がってちゃ、相手も変えらんねえし、にいちゃん自身も変わんねえんだから。

恋愛って、難しいよね。ほんとに。

感想

1つの物語を読んで、音楽を聴くスタイルで本書を読み終えました。

変に曲の歌詞に肉付けされることもなく、過ぎた日常を思い出すような読書時間でした。

連続短篇集なので、途中から交差していく人間関係も楽しめました。

どの感情も、なぜか少しずつ経験したことあるような、そんな感覚になりました。


君に選ばれたい人生だった [ メンヘラ大学生 ]

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